健康診断 何がわかるの? 検査はどこまで進んでる? 獣医師 三宅
人では人間ドッグでCT検査やMRI検査を行いますが、犬猫でも同様の検査が行えます。
ただ、人と違って全身麻酔下で行うため(じっとしていることができないため)、健康診断の一環で行うことはほとんどなく、多くは何らかの疾患の可能性がある時に診断として行います。
しかし、せっかくの機会ですので、今回は大学病院や高度医療施設で行えるこれらの検査についてご紹介したいと思います。
CT検査:コンピュータ断層撮影
・患部を輪切りにした面像がみられる。
・レントゲン検査では分からないごく小さい段階で胸部や腹部の腫瘍を発見できる。
・腫瘍の大きさや癒着の状態もわかる。
・骨の状態(損傷や奇形、腫瘍)の診断や、鼻、耳の異常を調べるのにも優れる。
・レントゲンでは写りにくい(焼き鳥の串など)の異物の発見。
MRI検査:磁気共鳴画像撮影
・X線ではなく磁場を用いて検査。
・脳疾患(水頭症・脳炎・脳腫瘍・梗塞)全般を調べるのに適す。
・脊髄疾患(椎間板ヘルニア、腫瘍、損傷、神経の圧迫状況)などが詳細にわかる。
CT検査やMRI検査を行わないと分からないものもあるので、全身麻酔のリスクを加味してもこれらの検査が絶対的に必要なことは多々あります。
一般の動物病院で、これらの設備を有している病院というのはまずありませんが、高度医療を行っている総合病院や大学病院では行うことができます。
また、都内には検査専門の検査センターもあり、動物病院からの紹介があれば検査をしてもらえます。
全4回にわたってお伝えしてきた「健康診断で何がわかるの?」でしたが、健康診断の重要性が皆さまに少しでも伝われば幸いです。
もっと詳しく知りたい方、同じ病気にかかっている愛犬愛猫と暮らしている方、
獣医さんに直接相談してみませんか。
会員登録はこちらから