第11回 犬の病気 「ノミアレルギー性皮膚炎」 獣医師瀬戸口

今回は、前回に引き続き皮膚の病気の中から、「ノミアレルギー性皮膚炎」についてお話したいと思います。

どうして起こるの?

ノミが血を吸うときに出す唾液に含まれる成分に対して、犬の体が過剰に反応することにより起こります。
ノミの数とは関係なく、少数の場合でも発症しますし、ノミに刺されたところ以外の場所にも症状はでます。
季節的には、ノミの活動が活発になる春から秋にかけて多くみられます。

どんな症状がみられるの?

背骨にそった腰やしっぽのつけねやおなかなどの下半身にひどい痒みがあります。この部分は掻いたり噛んだりできる場所なので、なおさら症状は悪化してしまいます。皮膚を舐めたり、掻きこわしたりすると皮膚が傷ついてただれて出血したり、脱毛がみられることもあります。

病院ではどのような検査をするの?

飼い主さんから愛犬の症状を伺い、皮膚の状態を観察することにより診断します。
飼い主さんからの情報がとても重要で、かゆみの有無・症状の出た時期・症状の出た部位・生活環境などをお聞きします。
検査では、皮膚の状態をチェックし、ノミのいる形跡がないかを確認します。

どのような治療をするの?

治療方法はアレルギーに対しては、かゆみを抑える目的でステロイドなどが用いられます。
また、皮膚を掻いて二次感染が疑われる場合は抗生物質も使用する場合があります。
もちろんノミの駆除も重要です。ノミ駆除剤にはいろいろなタイプがありますので、犬の状態や生活環境などを考えて選択します。

どのようにしたら防げるの?
愛犬がしきりに体を噛んだり、ひっかいたりしたら、皮膚の様子をチェックしてみて下さい。異常が確認されたらすぐに受診しましょう。
ノミアレルギー性皮膚炎の予防は、定期的にノミの駆除をするとともに、愛犬の生活環境を整え、ノミの発生を抑えるためにまめに掃除をすることも重要です。
また、日頃からシャンプーなど行い、皮膚を清潔にし、定期的に皮膚を観察するように心掛けましょう。

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