「犬のてんかん」 獣医師 三宅

 

見逃してしまうような部分的な発作から、全身を激しく痙攣(けいれん)させるような発作まで様々ですが、
数日から数週間のペースで再び次の発作が起こります。
てんかんは脳障害ではありますが、脳の構造そのものは正常で、機能にのみ異常が起こります。
なぜ、てんかんが起こるのかについてはいまだ議論されています。

【症状】
硬直
四肢をバタバタさせる
顎をかみしめている
涎がたくさん出る など。
また、発作時に排尿や排便をしたり、大きな声で鳴いたりすることもあります。

【診療】
てんかん以外でも、痙攣のような神経症状様を引き起こす病気はたくさんありますので、
どこに異常があるのかを確かめなくてはなりません。
そのため、血液検査や画像診断を行い、発作を引き起こす恐れのある様々な病気をひとつずつ除外していきます。
場合によっては尿検査も行います。
また、脳炎などを除外するためにMRIや脳脊髄液の検査が必要になることもあります。
てんかんであると診断されたら、てんかんを抑える薬を内服することになります。
この薬を飲む目的は「発作を起こさせない」ではなく「発作の回数を少なくする」ことにありますので、
発作がみられても、その頻度が月に1回以上のペースではない場合、通常は治療開始とはなりません。
一日に何度も発作を起こしていたり、発作が落ち着く前にまた次の発作が始まったりする場合(てんかん重積)では、
入院での治療が余儀なくされることもあります。

【予防】
遺伝の可能性があるともいわれています。残念ながら有効な予防方法はありません。

【発作が起ったら】
心配して、ついつい体を触ったり呼びかけたりしてしまいますが、
余計な刺激を与えることになるのでやめましょう。
周りに物がある場合はぶつかって怪我をするようなこともありますので、周囲の物を静か移動させて見守ってください。
また、発作があった日や、始まった時間と終わった時間をメモしておくと受診の際に役立ちます。

もっと詳しく知りたい方、同じ病気にかかっている愛犬愛猫と暮らしている方、
獣医さんに直接相談してみませんか。
会員登録はこちらから

 

一覧に戻る

関連記事を読む

第12回 犬の病気 「食物性アレルギー性皮膚炎」 獣医師瀬戸口

Copyright © Anicli24 AA Rights Reserved.