「犬の歯周病」
歯垢の中の細菌が原因となって起こる炎症で、歯肉だけが炎症を起こす歯肉炎とは違い、
歯や歯の周囲にある靭帯、歯を支える骨にまで炎症が起こることがあります。
日頃から噛むための固いおもちゃ類を与えられていない犬や、咬み合わせの悪い犬、
乳歯が抜けずに重なるように永久歯が生えてしまっている犬などに多くみられます。
犬は人に比べる歯垢が歯石に代わるのがとても速く、
歯石にはさらに歯垢が付きやすくなるという悪循環が起こります。
また、歯周病により歯が抜け落ちたり、病巣部が顎の骨を貫通して顔に小さな穴が開き、
そこから排濃したりすることがあります。
さらに、細菌や細菌が産生する毒素などが全身に渡り、
口腔内だけではなく腎臓、肝臓、心臓などの各臓器までにも悪影響を与えることもあります。
……………………………………………………………………………………
症 状
……………………………………………………………………………………
歯肉の腫れや出血
歯の汚れ
口臭
物を食べずらそうにするなど。
……………………………………………………………………………………
診 療
……………………………………………………………………………………
歯肉の腫れ、歯周ポケットの深さ、歯石の付き具合、歯のぐらつきなどを診ます。
また、歯のレントゲンを撮ることもあります。
治療は全身麻酔をかけてのスケーリングを行います。
歯石を取り、歯の表面を磨きます。
ぐらつきがひどい歯は抜歯をし、抜いた穴は縫合します。
再び歯石が付着して再発するのを防ぐために自宅でのデンタルケアも必要になるでしょう。
……………………………………………………………………………………
予 防
……………………………………………………………………………………
自宅でのデンタルケアを行ったり、歯磨き効果のある固いものを日頃から噛ませるなどするとよいでしょう。
また、乳歯から永久歯に生え変わる時期(生後半年頃)に、かかりつけ医に口腔内をチェックしてもらい、
自然に抜け落ちない乳歯は抜歯するなどしてもらうことで将来の歯肉炎や歯周病の予防にもなるでしょう。
……………………………………………………………………………………
歯 周 病 に な り や す い 犬
……………………………………………………………………………………
大型犬よりも顎の小さい小型犬のほうが発生率や進行率が高いと言われています。