「猫の上部気道感染症」
猫の鼻や口、のど、眼にみられる感染症で、猫ヘルペスウイルスや猫カリシウイルスが原因となることが多いですが、
細菌やクラミジアなどによるものもあります。
多くの猫で発症が見られますが、特に多頭飼育の猫では感染や発症のリスクが高くなります。
……………………………………………………………………………………
症 状
……………………………………………………………………………………
くしゃみ
鼻水
目やに
結膜炎
角膜炎
口内炎
食欲不振
発熱など。
鼻が詰まると食べ物のにおいがわからないため食欲がわかなくなりますし、
口内炎による痛みから食事を取らなくなるため、
食欲不振により弱ってしまうことがあります。
……………………………………………………………………………………
診 療
……………………………………………………………………………………
ウイルスを検出して確定診断をすることも不可能ではありませんが、
臨床症状などから総合的に判断することが多いです。
食欲不振により弱っていたり脱水を起こしているような場合では、輸液や栄養補給を行います。
インターフェロンの注射を打ったり、抗生剤、食欲増進剤、抗ウイルス剤の内服などを行います。
インターフェロンの目薬を使用することもあります。
……………………………………………………………………………………
予 防
……………………………………………………………………………………
猫ヘルペスウイルスと猫カリシウイルスはどちらもワクチンがあるため、
正しいワクチンプログラムに沿って接種することが有効ですが、
これらのワクチンは感染を予防するものというよりも重篤な発症を抑制するものです。
そのため、多頭飼育下で、感染猫が出た際はワクチン接種済の猫からも隔離したほうが安心です。