第9回 犬の病気 「チェリーアイ」 獣医師 瀬戸口

今回は、目の病気の中から、下まぶたの内側(目頭)が“さくらんぼ”のようにみえる病気「チェリーアイ」についてお話したいと思います。

どうして下まぶたの内側が赤く腫れるの?

「第三眼瞼(がんけん)」=「瞬膜」は、下まぶたの内側にあり、眼球を保護したり、涙を生産する涙腺がある膜です。
この膜が外傷や炎症などが原因で、赤く腫れて、飛び出してしまうことがあります。
これは、第三眼瞼の根元の付け根がゆるんでしまって起こりますが、中に包まれている涙腺は多くの場合は正常です。ビーグル、コッカー・スパニエルなどは先天的に起こりやすい犬種といわれています。

どんな症状がみられるの?

多くの場合は両目に起こりますが、片目だけの場合もあります。
まぶたの内側が赤く腫れているために、目を足で擦ったり、引っかいたりすることもあります。また、赤く飛び出したところや目の表面が傷付くと眼やにがみられることもあります。

病院ではどのような検査をするの?

飼い主さんから愛犬の症状を伺い、目の状態を観察することにより診断します。検査では、飛び出した第三眼瞼をチェックします。

どのような治療をするの?

治療は、外科的に飛び出した第三眼瞼を元の正常な位置にもどして、縫い合わせるのが一般的です。
この方法により、涙の生産を維持しながら症状を改善することができます。

どのようにしたら防げるの?

目に違和感があり、こすったりしているうちにチェリーアイを引き起こしてしまうこともあるため、軽度の結膜炎などでも早めに受診してしっかり治療したほうが安心です。
チェリーアイを発症した場合、外科的な手術が唯一の処置です。
飛び出した第三眼瞼が長期に及ぶと、目の表面を傷つけることもありますので、できるだけ早期に発見して、治療をすることが重要です。
日頃から目を観察するように心掛けましょう。

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