第12回 犬の病気 「食物性アレルギー性皮膚炎」 獣医師瀬戸口
今回は、前回に引き続き皮膚の病気の中から、「食物性アレルギー性皮膚炎」についてお話したいと思います。
どうして起こるの?
それまでは、平気で食べていたものが突然原因になることもあり、それ以降同じものを食べると発症するようになります。
肉類・牛乳・穀物・卵などのさまざまな食べ物が原因となってアレルギーがおこります。犬種・年齢に関係なく発生します。
どんな症状がみられるの?
皮膚の症状は、顔面・耳・口のまわりに痒みがみられ、全身に広がることもあります。また他の症状として、下痢・嘔吐などの胃腸症状がみられ、まれに呼吸器症状などを呈することもあります。
病院ではどのような検査をするの?
飼い主さんから愛犬の症状を伺い、皮膚の状態を観察します。
診断は、飼い主さんとのお話がとても重要で、食餌の内容・かゆみの有無・症状の出た時期・症状の出た部位・生活環境などをお聞きします。
また、血液検査でアレルギーの原因を調べることもあります。診断は、徹底した食事管理により、食物性アレルギーかどうか見極めます。
動物病院で処方されるアレルギー用療法食と水だけを2ヶ月間与え、2ヶ月後に症状をみて原因を特定します。
どのような治療をするの?
2ヶ月後に症状がよくなっていたら食物性アレルギーと考えられます。
以前与えていた食餌を再度与えるなどして、原因となっている食材をつきとめていきます。しかし、原因となる食材が特定できないことも多く、その場合は療法食を継続して与えます。
どのようにしたら防げるの?
愛犬がしきりに体をかんだり、ひっかいたりしたら、皮膚の様子をチェックして、異常がある場合は動物病院を受診しましょう。また、薬ではあまり効果があがらないため、原因となる食材探し出して与えないことが重要です。