猫の感染症 犬糸状虫症 獣医師 三宅

犬糸状虫症については「犬の感染症:犬糸状虫症」に詳しく書いてありますので、
先にそちらに目を通して頂ければと思います。

猫なのに犬糸状虫症とは、なんだかややこしいですね。
発生数はあまり多くありませんが、猫も犬と同様に感染します。
原因になるのは犬と同じフィラリア(Dirofilaria immitis)という寄生虫ですが、犬の場合と異なる点がいくつかあります。

neko-kansen1.jpg

1.フィラリアの成虫が小さい
2
.寄生する成虫の数が少ない
3
.虫体の寿命が短い
4
.赤ちゃん(幼虫1)が生まれにくい
5
.異所性寄生(脳・眼・皮下などへの寄生)のリスクが高い


フィラリアの発育にとって、猫の体内はあまり良い環境ではなさそうですね。
幼虫3が成虫になれる確率はわずか約125%です。犬では4090%でしたよね。また、成虫になれたとしても虫体は小さく幼虫1もあまり増やせません。
心臓と肺をつなぐ肺動脈という血管に寄生するのは犬と同様ですが、猫の体内ではフィラリアが道に迷って脳や目、皮膚の下などに迷い込んで寄生してしまうこともあります。

*症状*
犬の場合と少し異なります。

neko-kansen1-2.jpg


*治療*
・フィラリアの駆虫(薬を使った治療)
成虫の駆虫:通常猫では推奨されません。
幼虫 (ミクロフィラリア)の駆虫:幼虫自体が通常あまり生まれてこないため、治療は一般的ではありません。
・虫体の寿命が2年と短いので、合併症に対する治療を実施しながら自然治癒を待つのが効果的ともいわれています。

*予防*
月に1回のフィラリア予防薬の内服もしくは塗布

最近では猫ちゃんに予防をする飼い主さんもふえてきました。
安全に使用できる予防薬がありますので、興味がある方はかかりつけの動物病院に相談してみてください。

 

もっと詳しく知りたい方、同じ病気にかかっている愛犬愛猫と暮らしている方、
獣医さんに直接相談してみませんか。
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